君達は餌なのか？
いや、俺達は狩人だ！
紅蓮の弓矢
踏まれた花の名前も知らずに地に墜ちた鳥は風を待ちびる
祈ったところで何も変わらない
現状を変えるのは戦う覚悟だ
屍踏み越えて
進む意志を
嗤う豚よ
家畜の安寧
虚偽の繁栄
死せる餓狼の自由を
囚われた屈辱は反撃の嚆矢だ
城壁の其の彼方 獲物を屠る狩人
迸る殺意に 其の身を灼きながら
黄昏に緋を穿つ紅蓮の弓矢
矢を番え追い駈ける
標的は逃がさない
矢を放ち追い詰める
決して逃がさない
限界まで引き絞る
はち切れそうな弦
標的が息絶えるまで何度でも放つ
獲物を殺すのは
凶器でも技術でもない
研ぎ澄まされたお前自身の殺意だ
俺たちは狩人だ 焔のように熱く
いや、俺達は狩人だ 氷のように冷ややかに
俺たちは狩人だ 己を矢に込めて
いや、俺達は狩人だ 全てを貫いて征け
少年はかつて森の中で剣に手を伸ばした。
己の無力を嘆くだけの者には何も変えられないだろう。
少年はやがて黒き剣をつかみとるだろう。
憎悪と憤怒は諸刃の剣。
いつの日か彼は運命に牙を剥くだろう。
何かを変える事が出来るのは
何かを捨てる事が出来るもの
何ひとつ危険性等背負わないままで何かが叶う等…
暗愚の想定
唯の幻影
今は無謀な勇気も
自由の尖兵
賭けの攻勢
奔る奴隷に勝利を
架せられた不条理は進撃の嚆矢だ
奪われた其の地平
自由を望むあの日の少年
止めどなき殺意に其の身を侵されながら
宵闇に紫を運ぶ冥府の弓矢
