八尺只烏

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カラスが絶滅したら

Q:カラスが絶滅したら悪い事は起きませんか?

補足
カラスは人を襲う悪い鳥です

 

A:カラスは個体数がかなり多い生物なので、カラスの絶滅は自然環境へは大きな影響を与えるでしょう。
絶滅が悪いことであるというのは、倫理的なことで説明も難しく、理解の出来ない人には理解できないでしょうから省きますが、カラスの絶滅は人から見て悪影響と呼べることも起きると考えられます。

カラスはネズミや鳥の雛など、様々な生物に対し捕食者としての役割をはたしています。
カラスが絶滅すれば街中のネズミ(ドブネズミ)が増え、今よりもたくさんの民家、たくさんの場所に生息してしまいます。
ドブネズミは様々な病原菌を運ぶ動物ですから、人間に衛生的な悪影響を及ぼすでしょう。
また鳥の雛が捕食されなくなる、例えばスズメが増えるとしましょう。
都市などではスズメは無害で小さくて可愛い鳥だと思われているでしょうが、実際は農作物を食べる害鳥です。
家庭菜園でも蒔いた種が食べられてしまうかもしれません。
これが今より増えてしまえば、当然作物への被害も今より大きなものになってしまいます。
カラスは虫も食べますので、絶滅したら蛾や蜂なども増えてしまうかもしれませんね。

自然環境への影響の内、非常に簡単に思いつくものもいくつか挙げます。
鳥が木の実を食べると、その種は鳥のフンと一緒に排出されます。
これによって植物は自分の種をより遠くへ運んでもらうことができます。
カラスも当然この役割を持っています。
最初に書いたように、カラスは個体数が非常に多い鳥です。
そんな鳥がいなくなってしまったら、多くの植物が種を遠くへ運んでもらえなくなります。
また、他の動物に対して捕食者となることで、その動物が増えすぎないように調整しています。
これは自然の摂理で、カラスが絶滅してしまうとこの摂理が崩れてしまいます。

 

補足について
質問者さんが今おいくつなのかは分かりませんが、「カラスは人を襲うから悪い鳥」などというのは幼稚園児や、良くて小学生程度の理論ですよ。
頭が良いか悪いかではなく、何も考えていない人間の発言です。
と言っても、質問者さんが幼稚園児や小学生であれば、これから大人になっていけば良いと思います。

カラスが人を襲うのは、繁殖期に人がカラスの巣へ近づいた時です。
ほとんどの動物は、繁殖期になると我が子を守るため普段より神経質で攻撃的になります。
それはカラスも同じで、人が近づいてくるとまず大きな鳴き声で威嚇します。
しかしほとんどの人はこの威嚇に気づかなかったり、無視をします。
なぜかと言えば、街中では普段からカラスの鳴き声が聞こえますので、カラスの鳴き声というのが日常の中のありふれた音になってしまっています。
そのため多くの人がカラスの鳴き声程度では気にしませんし、ヘッドフォンやイヤフォンをして音楽を聞いている人に至っては気づくことも無いでしょう。
カラスから見れば、威嚇しても自分の方へ近づく相手には攻撃するしかありません。
襲われた人は「突然襲われた」と言うかもしれませんが、それはカラスの威嚇に気づいていないだけです。
カラスが威嚇せずに襲い掛かる、それはカラスが気づく前に人の方が近づくということですが、そんなことはごく稀です。
また、カラスは非常に賢い鳥で人間の顔を覚えたりもします。
カラスにちょっかいを出したら、カラスから敵と判断され、後に復讐されてしまうかもしれませんね。

人が野生の動物に襲われるなんてことは、人から見たら「襲われた」ですが、動物から見たら自分の身を守るための行動です。
大概の場合は人が不用意に近づくことに原因があります。
それを悪と呼ぶのは、身勝手にもほどがあります。